2022年世界大気質報告書は、世界有数の大都市における劣悪な大気の有害な影響に光を当て、住民の健康と福祉を改善するためにこの問題に取り組む必要性を強調した。

人口が少ないのとは対照的に、高濃度の不健康な大気の影響を最も受ける大都市は、大気汚染物質の潜在的発生源が多く、影響を受ける人が多いという2つの面で苦しんでいる。上位5都市に住む2,900万人の人々にとって、空気の質の悪さは2022年にはほぼ日常茶飯事であり、過去数年間もそうであった。

ここでは、最も空気の質が悪い都市とその大気汚染源、そして各地域で最も汚染されている都市の中から、意外な都市をいくつか紹介する。

5.パキスタン、ペシャワール

農作物の焼却により、この地域は大気汚染物質に覆われている。

2022年に最も汚染された主要都市第5位は ペシャワールで6番目に人口の多い都市である。 パキスタン.北西部のアフガニスタン国境近くに位置するペシャワールには、大気汚染の影響を受けている人々が約200万人住んでいる。

2022年、ペシャワールの年間平均PM2.5濃度は大気1立方メートルあたり92マイクログラム（μg/m3）だった。PM2.5は直径2.5ミクロン以下の粒子状物質で、呼吸器疾患や心臓疾患の原因となる。最も一般的な大気汚染物質でもある。

2023年2月24日、パキスタンのペシャワールでは不健康な大気が発生した。出典 IQAir.

2021年、ペシャワールは世界で9番目に汚染された都市となった。

パキスタンとインド北部の大気の質は、しばしば次のような時期に危険な状態になる。 農作物の焼畑シーズン 4月から5月にかけてと10月から11月にかけてである。また、都市ゴミの焼却、レンガ窯からの排ガス、火葬、調理や暖房のための固形燃料の燃焼によっても、この地域の大気の質は悪くなる。

4.デリー（インド

広大な都市が呼吸困難に

2022年に世界で4番目に汚染された大都市は、世界最大級の都市でもあった。 インド・デリー には約2,900万人が住んでいる。同市のPM2.5の年間平均濃度は93 µg/m3で、2021年の年間平均（96 µg/m3）よりわずかに改善した。デリーは2021年と2022年の両方で、世界で4番目に汚染された大都市であった。

同市は 市の大気の質の改善 デリーでは、自動車の排気ガスを削減し、石炭を禁止することで、大気の質の改善に取り組んでいる。ペシャワール同様、デリーの大気汚染も、農作物の焼畑時期に漂う煙など、同様の原因によって危険な状態になることがある。

2月27日、インド・デリーの大気質モニターが不健康から危険な大気質を検出した。出典 IQAir.

3.インド、ビワディ

かつて最も汚染された都市が大気の質を改善

報告書で3番目に大気汚染がひどい都市もインドにある。 ビワディ はデリーからさほど離れておらず、首都の南西約78キロに位置する。人口は10万4000人で、デリーよりはるかに小さい。しかし、同じ汚染物質とその発生源の多くと闘っているため、2021年には世界で最も汚染された都市にもなった。

2021年、ビワディの年間平均PM2.5濃度は106μg/m3で、その年世界で最も汚染された都市となった。2022年の年間平均PM2.5濃度は93µg/m3で、2021年と2020年（96µg/m3）よりも改善されている。

2.ホータン（中国

6年ぶりに100 µg/m3を下回る。

ホータン, 中国 は大気の質も改善している。2021年、オアシス都市の年間平均PM2.5濃度は102 µg/m3で、2018年以降は100 µg/m3を超えている。2022年の同市の年間平均PM2.5濃度は94 µg/m3だった。

大気の質は改善しているものの、ホータンは世界で2番目に汚染された都市であり、東アジアで最も汚染された都市である。

2月27日、中国・ホータンの不健康な大気質。出典 IQAir.

1.パキスタン、ラホール

煙と気温の逆転が大気の質を悪化させる

パキスタンの首都、 ラホール2022年、パキスタンの首都ラホールは世界で最も汚染された都市となった。既定では、中央アジアと南アジアで最も汚染された都市でもある。ラホールには約1,100万人が住んでいる。

同市は2022年に大気汚染を経験した主要都市のトップで、PM2.5の年間平均濃度は97μg/m3だった。ラホールの大気汚染の上昇は、過去3年間（それぞれ87、79、90µg/m3）よりも増加したことを意味する。

2月24日、パキスタンのラホールにおける非常に不健康な大気質。出典 IQAir.

ラホールは、ペシャワール、デリー、ビワディで指摘されたのと同じ大気汚染源の多くを抱えるだけでなく、次のような影響を受ける。 気温の逆転これは、暖かい空気が冷たい空気の層の下に閉じ込められる気象現象である。汚染物質も暖かい空気の層に閉じ込められ、風によって簡単に拡散・希釈されない。

最も汚染された地方都市

世界の主要都市で最も汚染されている都市トップ5には入らなかった都市もあるが、空気の質の悪さは世界のあらゆる地域に住む人々に影響を与えている。

PM2.5の濃度は、アフリカと西アジアで総じて高かった。アフリカで最も汚染された都市は チャドの首都である。 ンジャメナ の年間平均PM2.5濃度は90 µg/m3だった。また、西アジアで最も汚染された都市は次の通りである。 バグダッド, イラクイラクのバグダッドは、PM2.5の年間平均濃度が87 µg/m3である。両都市とも砂漠に近く、砂嵐の影響を受ける。バグダッドの大気汚染は、自動車の排気ガス、発電機の使用、紛争に関連している可能性がある(2)。

ヨーロッパで最も汚染された都市は ヘルツェグ＝ノヴィ, モンテネグロ.同市の年間平均PM2.5濃度は53 µg/m3であった。 東ヨーロッパ特にバルカン半島）では、古い自動車とその排気ガス、山間部の谷間での気温の逆転、地域の工業の汚染などが原因で、年間を通じて大気質の問題が生じている。

ラテンアメリカとカリブ海諸国で最も汚染された都市は次の通りである。 バルパライソ, チリ の年間平均PM2.5濃度は39 µg/m3であった。東南アジアで最も汚染された都市は ハノイ, ベトナム.年間平均PM2.5濃度は40μg/m3。

北アメリカ（アメリカとカナダ）で最も汚染された都市は次の通りである。 コフィービル, カンザス州 の年間平均PM2.5濃度は19 µg/m3である。同市は、石油精製所、製錬施設、窒素肥料工場などの重工業があることで知られている(1)。

オセアニアで最も汚染された都市は ブレンハイム, ニュージーランド.PM2.5の年間平均濃度は12 µg/m3だった。にもかかわらず、オセアニアの都市は世界の全地域の中で最も空気の質が良かった。

あなたにできること

大気汚染があまりにも日常的であるにもかかわらず、世界で最も汚染された都市でさえ、私たちが呼吸する空気を改善しようと努力しているのだから、希望はある。あなたもその解決策の一端を担うことができる：

• 地域の代表者に、あなたが大気の質を気にかけていることを伝えましょう。
• 個人レベルでは、大気汚染のフットプリントを減らすことができます。エネルギー消費を抑え、可能な限り徒歩や自転車、公共交通機関を利用しましょう。
• 安全の確保：大気質アプリをダウンロードし、屋外で過ごす時間を制限したり、空気の質が悪い日には高品質のフェイスマスクを着用する。
• 室内では、空気の悪い日は窓を閉め、エアコンを循環モードに設定する。
• 空気の質が良い日は、エアコンを新鮮な空気を取り込む設定にするか、窓を開けて換気を良くする。
• 最後に、次のような方法で地域社会を支援することができる。 大気質データの提供者になる.大気質データの提供者になることで、大気汚染とそれが人の健康に与える影響についての世界的な理解を深めることができます。

持ち物

都市や近隣地域の空気の質を知ることは、空気の質が悪い日に個人が自分の身を守れるようにするための第一歩である。しかし世界には、特にアフリカ、西アジア、ラテンアメリカ、カリブ海諸国など、空気の質に関するデータが不足している都市が数多くあります。お住まいの地域は 大気質マップ そして 投稿者になる.