PM2.5とは何か？

粒子状物質（PM）とは、空気中に含まれる粒子で、ほこり、すす、ちり、煙、液体の飛沫などを指します。

PM2.5の粒子の直径は2.5ミクロン以下です。PM2.5の粒子は非常に小さく、電子顕微鏡でしか見ることができません。

大気汚染の中でも、PM2.5汚染は最大の健康被害をもたらす(1)。PM2.5は粒径が小さいため、空気中に長時間浮遊したままとなり、吸入すると血流の奥深くまで吸収される可能性がある。

PM2.5の汚染源は？

粒子状物質は、人工的な発生源から直接排出されるものと、自然発生源から排出されるものがあるが、一般的に人工的な発生源の方がPM2.5の量が多い(2)。

汚染物質PM2.5の最も一般的な人工的発生源には、(3) (4) (5)がある：

• 自動車の燃焼
• 発電所の燃焼
• 工業プロセス
• ストーブ、暖炉、家庭用薪ストーブ
• 花火の煙
• 喫煙

PM2.5の自然発生源には以下のようなものがある：

• 粉塵
• すす
• 汚れ
• 塩
• 植物の胞子
• 花粉
• 山火事の煙

PM2.5の主な発生源は、季節、天候、気候、都市化の度合い、国、地域によって異なる。

1994年のAtmospheric Environment誌の研究では、米国内のPM2.5発生源を調査し、北西部ではバイオマス燃焼がPM2.5汚染の最大の原因であり、北東部と主要な港湾都市では残油燃焼が主な原因であることを明らかにした(6)。

汚染物質の発生源には、近隣諸国からの排出も含まれる。2019年に発表されたカナダにおける発生源の寄与に関する研究は以下の通りである。 環境科学技術 によると、カナダ中部の汚染物質PM2.5の33％が米国に由来していることがわかった(7)。

同調査によると、カナダ中央部では住宅燃焼がPM2.5の主な発生源であり、カナダ北部、大西洋岸、西部では山火事がPM2.5汚染の原因であった。

PM2.5の化学成分は？

PM2.5は、大気中で他の汚染物質が化学反応を起こすことによって発生します。

気体間の化学反応は、(8)の反応を含め、PM2.5汚染物質の発生源となり得る：

• 二酸化硫黄
• 窒素酸化物
• アンモニア
• ブラックカーボン
• ミネラルダスト
• 水
• 揮発性有機化合物

PM2.5汚染は私たちの健康にどのような影響を与えるのか？

PM2.5は微細であるため、呼吸器の奥深くに留まる可能性が高い。2.5ミクロンのPM2.5は、循環系や脳にまで入り込む可能性がある(9)。高濃度の粒子状物質にさらされると、喉や気道の炎症、咳、呼吸困難などの症状が短期的に現れる(10)。

より深刻で長期的な合併症には以下のようなものがある：

• 心臓および肺疾患
• 気管支炎
• 肺気腫
• 非致死的心臓発作
• 不整脈
• 喘息とより激しい発作
• 肺機能の低下
• 早期死亡

心臓や肺に疾患のある人、子供、高齢者は、粒子状物質による汚染の影響を最も受けやすい。

数多くの研究が、汚染物質PM2.5への暴露によって引き起こされる多数の深刻な健康合併症を確認している。

例えば、2011年に発表された研究は以下の通りである。 The American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine』誌に発表された。 に掲載された2011年の研究では、1982年から2008年まで120万人のアメリカ人を追跡した(11)。PM2.5濃度が1立方メートルあたり10マイクログラム上昇するごとに、肺がん死亡率は15～27％上昇した。

に発表された2020年の研究によると、PM2.5汚染は、デンマークの幼児における喘息リスクの増加と関連している。 英国医学雑誌(12).1997年から2014年の間に生まれた全児童を対象に、喘息の発症と持続的な喘鳴について1歳から15歳まで追跡調査した。その結果、PM2.5の高いレベルにさらされた子どもは、さらされなかった子どもに比べ、喘息や持続性喘鳴を発症する可能性が高いことがわかった。

PM2.5とPM10に違いはあるのか？

PM10とPM2.5は、どちらも大きさの異なる汚染物質の一種です。PM2.5の粒子は細かく、PM10の粒子は大きく粗いと考えられています。PM10の粒子は2.5～10マイクログラムです。

私たちの身体は、くしゃみや咳によってPM10を防御することができる。しかし、PM10より小さな粒子では、こうした防御機能は働かない(13)。

PM10は肺の中に入り込み、肺組織の損傷や喘息といった健康への悪影響を引き起こす。しかし、PM10はその大きさゆえに、PM2.5ほど血流に入る可能性は高くない(14)。

PM2.5の大気質が環境に及ぼす影響とは？

PM2.5は、以下のようないくつかの点で環境に悪影響を及ぼす(15)：

• 材料や建物の損傷
• 酸性沈着
• オゾン濃度の上昇

PM2.5汚染は、強風によって長距離を移動し、発生源から数十万マイルに及ぶこともある(16)。PM2.5は沿岸水域や河川流域に運ばれ、栄養バランスを変化させる。粒子状汚染が農作物や森林に沈着すると、植生にダメージを与える。

PM2.5汚染に対して何ができるのか？

環境中のPM2.5を懸念する人々は、大気浄化に関する法律や低排出区域を提唱することができます。

PM2.5とPM10の大気汚染を減らすことは、ほとんどの国にとって優先事項です。 インドは2019年に国連の気候・大気浄化連合に加盟した。 に参加し、2024年までに国内の粒子状物質汚染を20～30％削減するという目標を掲げた。2019年、インドはこれらの目標を達成するため、国家大気浄化計画を開始した(17)。

人々は自分たちの生活の中で粒子状物質の排出を制限する手助けをすることができる。実行できる行動には以下のようなものがある(18)：

• 車の運転頻度を減らす
• 湿度管理でカビの成長を遅らせる
• 掃除にはモップ、湿らせた布、HEPA掃除機を使う。
• 室内でタバコを吸わない
• ろうそくやお香を焚く頻度を減らす
• 電気と燃料の効率を上げる
• 薪やゴミの焚き付けを制限する
• 屋外で薪ボイラーを使わない
• ガレージやドア、窓の近くではアイドリングをしない。
• 発電機やバーベキューは、屋内やガレージ内で使用しない。
• 空気清浄機を使用し、空気をきれいにしてPM2.5を除去する。
• 全館空気清浄機を設置し、PM2.5を除去する。
• 施設 学校や商業施設に高効率HVACユニットのエアフィルターを設置する。
• 屋内外の空気の質を監視

PM2.5は室内空気の質に影響を与えるか？

屋外の汚染源であるPM2.5は、一般的に「雨漏り」する建物内の空間だけでなく、窓やドアの雨漏りからも侵入し、室内環境に影響を与える可能性がある(19)。

気密性の高い家では、(20)のようなPM2.5の室内発生源を防ぐことはできない：

• 薪を使った料理
• キャンドル
• 香炉
• 暖炉
• ストーブ
• 喫煙

家庭用クリーナーや芳香剤も、化学反応によってガス状汚染物質を発生させ、室内にPM2.5汚染をもたらす可能性がある。

空気の質を脅かす他の大気汚染物質は？

PM10やPM2.5以外にも様々な汚染物質があります。 世界中で一般的な汚染物質 を含む：

• アンモニア
• アスベスト
• ベンゼン
• ブラックカーボン
• 二酸化炭素
• 一酸化炭素
• 鉛
• 二酸化窒素
• オゾン
• 二酸化硫黄
• 揮発性有機化合物（VOC）

米国では6つの基準大気汚染物質が規制されている(21)：

• 一酸化炭素
• 鉛
• 窒素酸化物
• グランドレベルオゾン
• 粒子状物質（PM10およびPM2.5を含む）
• 二酸化硫黄

基準は大気浄化法によって定められており、米国環境保護庁が基準を決定している。リストアップされた汚染物質が選ばれた理由のひとつは、全米で一般的に見られるからである。

基準には2種類ある：

• 一次基準：人の健康と安全に焦点を当てた基準
• 二次的基準：環境や人間の福利に対する間接的な害に焦点を当てた基準

規制は大気汚染を抑制し、生活の質を向上させるのに役立っているが、人類の健康と経済的な幸福を害する重大な汚染物質がまだ存在する。私たちの 大気汚染のコスト をご覧ください。きれいな空気がいかに生活の質を向上させ、公害による経済的負担を抑えることができるかをご覧ください。