特にスモッグの多い日、大気汚染が私たちの健康や生活に与える打撃は想像に難くない。しかし、多くの人が気づいていないのは、大気汚染が人間の生活や世界経済に与える影響の総計は、これまで考えられていたよりもはるかに深刻かもしれないということだ。

大気汚染による人的被害に関するデータを求める声が高まっていることを受け、私たちはこのような調査を実施した、 IQAir とグリーンピース東南アジアは、大気汚染による健康および経済的コストを計算するコスト推計ツールを開発した。 IQAir 世界大気質データベース

この試算は、以下のデータ入力を組み合わせたアルゴリズムに基づき、暦年全体を通してのコストを算出したものである：

• が管理する地上大気質センサーからのリアルタイムのデータ。 IQAir 直径2.5ミクロン以下の粒子状物質（PM2.5）および二酸化窒素（NO2）データ（入手可能な場合）を含む、大気質データベースが管理する地上大気質センサーからのリアルタイムデータ。
• 科学的リスクモデル
• 人口と健康に関するデータ

コスト見積もりは、世界の主要都市の多くについて、死亡者数と経済的影響を自動的に計算することができる。 IQAir's 最も汚染された都市 ランキング

死亡率と費用の試算は、PM2.5とNO2.5に起因する総影響に基づいている。₂ に起因する総影響に基づいている。NO₂ を含めるかどうかはデータの有無による。

2020:上位5都市で16万人以上が死亡

2020年、私たちのカウンターは次のような驚くべき予測を発表した。 大気汚染のコスト 世界人口の多い上位5都市について、1年間の大気汚染による人命と生産性の損失を試算した：¹

• 東京（日本）： 死者40,000人、430億米ドル（USD）（人口：37,000,000人）
• インド、ニューデリー:死者54,000人、81億米ドル（人口：30,000,000人）
• 中国、上海:死者39,000人、190億ドル（人口：27,100,000人）
• ブラジル、サンパウロ:死者15,000人、78億米ドル（人口：22,000,000人）
• メキシコ、メキシコシティ:死者15,000人、70億米ドル（人口：21,800,000人）

総死亡者数: 163,000
総費用851億ドル

たった5つの都市で、2020年だけで16万人以上の命と851億米ドルが失われる。しかも、その5都市は世界人口のわずか1.7％にすぎない。²

大気汚染の本当のコスト

この1年で、世界の主要都市は数十万人の命を失い、数千億ドルの損失を被った。2021年のデータは、この憂慮すべき傾向が今後も続くことを示唆している。

80億人近い人口を抱える世界にとって、この数字がどのようなものか想像してみてほしい。私たちは気が重くなる。大気汚染との闘いに関しては、知識は力である。失われた命と費用に関するデータは、汚染者と政策立案者の責任を追及し、大気汚染に関するストーリーを永久に変えるための最も強力なツールのひとつである。

だからこそ IQAir とグリーンピース東南アジアは共同で「大気汚染コストカウンター」を作成しました。

大気汚染コスト・カウンター」は、グリーンピースが2020年に発表した、石炭、石油、ガスなどの化石燃料を使用する際のコストについて衝撃的な推定値を算出した報告書と同じ手法を用いている：³

• 450万人の早期死亡 化石燃料による大気汚染で毎年450万人が早死に
• 毎日80億米ドル（世界の国内総生産（GDP）の3.3％）が失われている。平均寿命の短縮、早産、通院や欠勤につながる病気、病気に起因する経済的負担によるもの
• 5歳未満の子どもの死亡者数40,000人 化石燃料によるPM2.5への暴露が原因で、毎年5歳未満の子供が40,000人死亡している。
• 病気による18億日の労働損失 化石燃料によるPM2.5が原因で、1,010億米ドルの経済損失が発生している。

大気汚染削減のコスト

石炭、石油、ガスなどの汚染燃料を、風力や太陽光のようなゼロエミッションの代替エネルギーに切り替えて大気汚染を削減するコストは、高く見えるかもしれない。しかし、大気汚染による健康コストや経済コストの方がはるかに高いことは明らかであり、風力や太陽光のような再生可能エネルギー源は、実際、汚染化石燃料よりもますます安価になっている。⁴

もし何も変わらなければ、世界人口の増加と気候変動が新たなリスクをもたらし、現在のグローバル資本主義が成り立たなくなるにつれて、そのコストは増え続けるだろう。

世界的な大気汚染問題の解決策は目の前にある。

風力発電所やソーラーパネルのような再生可能エネルギーへの応用は、過去10年間ですでに莫大な成長と投資を経験している。

米国だけでも、再生可能エネルギーの利用は2000年以来100％伸びており、2018年には純電力使用量の17％を占めている。⁵ さらに、再生可能エネルギー源は、来年には少なくとも7％成長すると予測されており、2010年から2025年にかけておよそ150％の成長が予測されていることから、世界全体の電力容量増加の90％近くを占めている（図1参照）。⁶

図1：再生可能エネルギー源の成長予測、2010～2025年（出典：国際エネルギー機関）。

要点

大気汚染による死亡者数は、2020年に憂慮すべき傾向を示し、2021年も引き続きこの傾向を反映している。

世界の大部分で大気環境データがカバーされていないことを考慮すると、死者数はさらに増える可能性がある。

幸いなことに、再生可能エネルギーへの投資は、致命的で高価な化石燃料を、安価で持続可能な風力や太陽光などの再生可能エネルギーに徐々に置き換えていくのに役立っている。これは、私たちが正しい方向に進んでいることを意味するが、まだ先は長い。